昨年の10月以降、プレイ時間の大半を費やしたForza Motorsport。

Xboxを買う最大の理由であるForza Motorsportは私にとっては最も重要なソフトです。

3ヶ月かけてがっつりプレイしたレビューを書いていきます。

 

Xbox SeriesX|S専用ソフトとなった本作。

2017年に発売されたForza Motorsport7の48倍を誇る精細なタイヤシミュレーションと美しいグラフィックを実現し、まさに待望のソフトでした。

前作以来、サーキットを走るタイプのForzaが発売されなかったという飢餓感も手伝って、本作を待ち望む私の期待値は高まる一方だったのです。

 

 

結論から言うと、クルマを走らせることは楽しい。

しかし、いろいろと問題が多い。

そんなソフトだったのです。

それでもプレイしてしまうのは、本作の運転行為そのものが楽しいから。

本作の問題点はゲームデザインに集約されています。

ハッキリ言って、開発を主導したクリス江崎氏の責任は重大だと思います。

 

 

120fpsに対応しない(Xbox版)

本作Xbox SeriesX版のグラフィックモードは

  • パフォーマンス:4K , 60fps , レイトレなし
  • パフォーマンスRT:可変解像度 , 60fos , レイトレあり
  • クオリティ:4K , 30fps , レイトレあり

早い話、どの要素を我慢するかでモードを選ぶ、といってよいです。

個人的には、解像度を下げてでも120fpsモードが欲しかった。

レースゲームにおいてフレームレートこそが最重要パラメーターだと個人的には思っているからです。

だったらPCに移行すべきなのでしょうが、Xbox版で120fpsに対応して欲しかったな、というのが私の本音。

 

大不評のレベル制

そもそも私は、サーキット走行するレースゲームにクレジットなど不要、という考えの持ち主です。

Youtubeでレースゲームのタイトルを検索すると、お金稼ぎ動画ばかりがヒットする現状を見てるとなおさらそう思います。

本作ではクレジットはクルマの購入にのみ用いられ、アップグレードの部品はクルマごとに設定されたレベルを上げることでアンロックされます。

これが非常に面倒くさい。

メーカーではなく1台ずつレベルが設定されているため、同じ車種を複数の仕様でガレージに並べるのならば1台1台レベル上げをこなす必要があります。

メーカーごとに最大5台のレベルをMAX(Lv50)にすると、最大25%オフでクルマが買えるようになる特典はありますが、そもそも収録台数が5台未満のメーカーだとその旨味を感じることができません。欲しくもない同じクルマを複数買え、と?

レベル制を導入したことで、カーチューナーのセッティングを導入する敷居が上がってしまった事も見逃せないデメリットです。

 

更に言うと、シリーズ伝統のVIPを購入しても獲得クレジットは倍になりますが、レベル上げの取得経験値は倍になりません。

そもそもクレジットの使い道がクルマの新規購入しかない以上、オートショーで欲しい車種を揃えてしまったらクレジットなど早々に用済みです。

VIPユーザは取得経験値も倍になったら、と悔やまれてなりません。

余ったクレジットを経験値に変換してほしいとさえ思います。

そのくらい本作のレベル上げは面倒くさい。

レースゲームの当たり前を見直そうとしたことは認めるんです。

しかし、その方向が明後日の方を向いていた。

本当に残念です。

 

追加されたもの、失われたもの

本作では新規のアップグレード要素としてバラストが追加されました。

ただの重りと侮るなかれ。

バラストがあることで意図的に下のクラスにPIを制限することができたり、見た目は同じPIでも、重量配分を50/50に近づけることができるなど、低いクラスで勝負するときほどバラストの重要性を感じることができます。

その反面、Forza Horizon5で実装されていたオフセット値の変更が無くなりました。

見た目の要素もありますが何よりもトレッドが拡大することでグリップも向上するのですから、ここを無くしたのは理解できません。

 

徐々にゲームは大きくなりつつある

発売当初から月に1度のアップデートを経て、ヤス・マリーナ(2023年11月)、ホッケンハイム(2023年12月)、デイトナ・スピードウェイ(2024年1月)が順次追加され、この春にはニュルブルクリンク北コースも追加予定です。

また、Forza Horizon4,5と同じく、昨今のライブゲーム化の流れを受けて、定期的に期間限定のキャリアモードのレースが追加されています。

Xbox Game Passは定期的にプレイしてもらってナンボですから、この流れは抗えないでしょうね。

ただ、上に挙げたサーキットはFM7からの復活であり完全新規のサーキットではないんですよね。

また、メイプルバレーのように過去作のオリジナルサーキットも新規に作り直せば面白いものもあるように思います。

新規サーキットが少ないのは本作の新鮮さを感じさせない要因です。

 

とはいえ、現状の本作はあまり巨大なタイトルではありません。

キャリアモードが極めてあっさりした作りなのもその印象を強めています。

そういう意味では入りやすいタイトルです。

ただ、Xbox360でForza Motorsport4をプレイすると、豊富なキャリアモードのメニューがこれでもかと用意されているんですよね。

車種限定レース、ボウリング、オーバーテイク、マルチクラスなど。

あくまでもゲームとして見たら、Forza Motorsportは未だに一級品のボリュームを誇っていると私は思います。

 

私が望むキャリアモードはレースのお作法を学ぶものであってほしいんですよね。

各種フラッグも実装してほしいし、予選と決勝というウィークエンドの流れを追体験したい。

本作にもプレイヤーのレベルが設定されていますが、オフラインでいくらレベルアップしても無意味です。

オンラインレース・ライバルに出走した時のみレベルが上がればそれでよかったのにと思います。

 

 

結論

繰り返しになりますが、本作は精緻なシミュレーションや美しいグラフィックなど長所もありながら、ゲームデザインには問題を抱えているタイトルと言えます。

 

先日の発表で、

  • ゲームシステムの改善(CAR PROGRESSION)
  • レースレギュレーションの改善(FORZA RACE REGULATIONS)
  • AIの改善

に取り組むことが発表されたので、現状のForza Motorsportをプレイしながら各種改善を待つことにします。

さて、レベル上げしようかな...